[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック

No.007 ガルシア=ワイズマンの場合


それは、ガルシア=ワイズマンが18歳……
ゲーム版(38歳)より、だいぶ過去の話である。

彼は、新米の海賊だった。
頭領にこき使われるだけの、ただの新米。
だが、その未成熟な細い肉体の内に、確かな、そして力強い才能を秘めていた。

ある日、ガルシアは夜の街を仲間と共に歩いていた。
多少、酒に酔っている。
無論、ザン共和王国は未成年の飲酒など認めてはいない。
だが、それはあくまで表の世界に生きる人間のためのルール。
裏の世界に生きる人間にとっては、全く意味を成さない。

「おーい、行くぜ、ガルシア!!」
仲間がふと立ち止まったガルシアに声をかける。
「すんません! 先行ってて下さい、ちょっとトイレ行って来るッス!!」
「分かったー!!」
それを聞き、仲間はさっさと船に戻っていく。
だが、ガルシアはそんな理由で立ち止まったのではなかった。
気付いていたのだ。辺りをせわしなく動く気配5つに。
一つが追われていて、残り四つが殺気を撒き散らしながら追っている。
そして、ガルシアは壁蹴りで宙を舞う。
追われている者の正体を確かめるために。
何故なら、放っておけば自分達の船に害を成すものかもしれないから。

だむっ!!
追われている者の足下に、たくさんのナイフが突き刺さる。
「くっ……ここまで……!?」
追われる者が、自決を図ろうとした、その時。
ざむっ!!
地面から、建物の屋上まで壁蹴りの勢いだけで跳んできたガルシアが、
凄まじい斧の一撃で、追手の一人を叩き斬り、返す刃でもう一人斬り伏せる。
「……誰だい!?」
追われる者……女性は驚いていた。
自分はほとんど捨て駒のようなもの。救援が来るなどとは聞いていない。
「俺か? 通りすがりの海賊だ。あんたは?」
「あたいかい? 通りすがりの暗殺者さ」
いい加減な受け答えに、いい加減な態度。
互いに名も知らぬ即席コンビが、残りの追手をねじ伏せるのに、一分は要らなかった。
「……こんな所で何やってんだよ、あんたは?」
「……仕事さね。助かったよ、ありがとう」
「あのな、習わなかったか? 礼を言う時は、きちんと相手の目を見て言うもんだ」
「あっ!?」
ガルシアは無理矢理女性の顔を覆っていたフードを剥ぎ取る。
たちまち、美しい女性の顔が紅潮する。
「俺はガルシア=ワイズマン。あんたは?」
「あたいは……」

ヒルデガード=アキフジ。そう名乗って女性は消えた。
『そっか。じゃあまたな』このガルシアの答えに
ヒルデガードは従った。ガルシア達の船に勝手に乗り込むという形で。
再会は、近い。あまりにも。


SSSの入口へ戻る
小説の入口へ戻る
トップページに戻る