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No.011 シルヴィレンテ=ワイズマンの場合


それは、ゲーム版より、ほんの少し前の話……

「あうッ!?」
どさッ!!
シルヴィレンテ=ワイズマンは地に膝をつき、ほどなく倒れた。
「……ほう、やりますね。勇者軍メンバーでもないものがここまで私に攻撃を加えるとはね……」
漆黒の鎧に身を包んだ柔らかな女性の声がする。
とても大きすぎる鎧に見合う声とは思えないほどに、柔らかな声。

「殺すには惜しいですね。どうです、私に力を貸しませんか?」
弱き者が強き者に屈服し、従う……そんな事が真理であると
シルヴィレンテは思っていた。
「分かったよ……あんたくらい強い奴なら、それも悪くないねぇ。あたしゃ何すりゃいいのさ?」
手を引かれ、起こしてもらいながらシルヴィレンテが言う。
「出来れば、この写真の男を支配下に置きたいのですが……」
漆黒の鎧の女……シンシア=スターリィフィールドが差し出した写真に写っていたのは……

「あんただろ? ユリシーズってのは?」
シルヴィレンテはライゼリーネ・タウンにてユリシーズと対峙していた。
「……何者だ」
「勝負に応じてくれたら教えてやるさね。あたしが勝ったらあんたを手駒として使わせてもらうよ。あんたは?」
「……興味が無いな。負けたら帰るがいい」
「やれやれ、欲の無い話だねぇ」
肩をすくめるシルヴィレンテ。そして彼女は槍を構えた。
「本当は弓の方が得意なんだけどね。これも戦略って奴でねぇ」
「……ごたくはいい。来い」
そしてぶつかる力と力。結果だけ言えば、この勝負は戦略勝ちでシルヴィレンテが収めた。
「やるじゃないさ、でも、言う事は聞いてもらうよ。ついて来な」
「……ちっ」
こうしてユリシーズは不本意ながらシルヴィレンテの悪事に力を貸す事になる。
だが、そう遠くない未来に……制裁を受け、自らも死んでしまうのだと思っていた。

その時がシンシアとの縁切り時というチャンスである事も。
そして、自分が勇者軍から少なからず、制裁を受ける事も。
……テッド=ブロンソンと真っ向勝負をするまでは。


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